仙台から患者の声を届けたい 渡部 格さん
一人娘が2歳のときに先天性心疾患が発見され、手術。その後、始めた患者会。一切をボランティアで、妻とここまで切り盛りしてきた――
渡部 格さん- 星陵心臓友の会 会長
娘の心疾患をきっかけに始めた患者会
一人娘が2歳のときに先天性心疾患が発見され、4歳の折東北大学第2外科の関係者によって手術をして頂いた。その直後第1外科、第2外科の心臓グループが合併して診療科として胸部外科が発足した。講座でないため予算もつかず秘書も雇えないので、患者会を作り患者会として業者からの寄付をいただき秘書の費用等にあてた。患者会の名称は、東北大学のシンボルでもある星陵をもとに、星陵心臓友の会とした。
1974年、ついに講座として認められ専任の教授の元で医局も発足した。この時点で患者会の役目も終わったのだが、数えてみれば会員が900名になっていた。使命も感じた。そこで患者会の目的を明確にして、継続していくことにした。「本会は心臓病の予防、治療及び研究に協力し、心臓病に対する理解を深め、心臓手術を受けた人々及び心臓疾患者の健康管理に万全を期する為、診断施設を設置し、及び運営するとともに、手術を受ける人々を励まし、協力し、心臓病児、者のかかえる諸問題の解決に努め、保健福祉向上に寄与することを目的とする」。
多岐に亘る患者会活動
現在では、患者会を財団法人とし、心疾患専門医を院長に据えたクリニックを仙台駅前で運営するまでになった。クリニックでは、心疾患患者の一番の問題ともいえる手術後の精神的なケアや、身体的なケアを、患者会、クリニックの両輪で解決しようと努力している。毎月会報「こどう」も発行し、苦労話や体験談、笑い話を織り交ぜながら、お互いを励ましあい、支え合っている。
基金を設立し、そのチャーター代支援によって、心臓移植を受けた会員もいる。そのときは大変嬉しかった。現在の課題は、個人情報保護法によって、東北大学で手術を受けた患者さんの情報が手に入らなくなってしまったことである。会員数の減少や、困っている患者さんに手を差し伸べられないという不安が日々募る。
自宅の2階を事務所として無償で提供し、一切をボランティアで、妻と切り盛りしてきた。気がつけば40年近い時代が流れている。
渡部 格(わたなべ かく)さん
1927年7月生まれ 福島県立相馬中学校卒業。旧制山形高校理科乙類卒業後、1年を置いて新制中学校に就職。その後小学校、高校(主に定時制)に勤務、宮城県古川工高校長で定年退職。学校法人菅原学園相談室長として9年間勤務。その後は星陵心臓友の会の活動に専念。友の会設立時は事務局長、事務所は自宅を無償提供、10年後2代目会長としてボランティア活動を続けている。
更新日:2009年08月31日


