ヨーロッパ患者リーダーの声 〔全2回〕 トゥルーディ・ロバンさん
イギリスの小さな村で始まり、いまやヨーロッパ中に支部を持ち、世界的に注目を浴びるアリスミア・アライアンス。患者会運営や協力体制に必要な秘訣は何か。その成功と経験を語る。―――
トゥルーディ・ロバンさん- アリスミア・アライアンス(略称A-A、不整脈連合) 創設者/理事
はじまりは村のガレージだった
アリスミアアライアンス(A-A)はイギリスの不 整脈患者団体連合です。近年大きな成功を収めている組織として評価されています。そもそもの始まりは、娘の存在でした。娘が反射性無酸素発作と診断された ことがきっかけとなり、STARS(失神トラスト・反射性無酸素発作・ブラックアウトトラストの患者団体)という団体を1983年に設立したのです。都会 のビルではなく、村の一軒家のガレージで、専門家でも何でもない、ひとりの患者の母親が始めた活動なのです。
患者会からの発信で誤診を防ぐ
STARSでは、患者家族の支援と、未だに解明されていない意 識消失に関する情報提供を行っています。このような活動を行う英国唯一の団体だと思います。この疾病における特に深刻な問題は、誤診なのです。不整脈がて んか んと誤診され、無関係の薬を服用したり、自動車などの運転を禁止されたり、患者家族が転職せざるをえなくなったりなど、誤診がきっかけで、生活に深刻な変 化を強いられることがあります。疾病認知の段階においてさえ、あまりに遅れている現状を打開するため、STARSでは、不整脈のチェックリスト、スター ズ・ブラックアウトチェックリスト(意識喪失チェックリスト)を作成しました。現在は全世界の医療専門家に使用されています。
患者会連携そして政府との連携
他の患者会・医療団体・医療産業界に手紙の送付をはじめ地道な働きかけを行い、政治的草の根運動として、不整脈啓蒙週間を実施しました。不整脈に関 する政府支援を要求したのです。この活動により、自身が不整脈を持 っていた英国首相(当時)トニー・ブレア氏や、同じく不整脈を抱える俳優ロジャー・ムーア卿(映画007)の賛同を得たほか、約200人の英国国会議員と 多数の医療専門家たちの賛同も得ることとなりました。また、政府により公約されたとしても実施されるとは限らないことから、これを機に医療や公衆衛生政策 向上に向けアリスミア・アライアンス(不整脈連合)を設立しバックアップ体制を整えました。私たちが専門家に対して何ができるのかを見極め協力する一方 で、こちらにも協力してくださいと訴えかけたのです。対立していることに意味はありません。十万人の心臓突然死のうち80%の人は適切な診断治療があれば 避けることができるのです。患者会、政府、議会、医療提供者、医療産業などが、協力しあうことで解決できることがたくさんあると思います。
◆アリスミア・アライアンスのHPはこちら(英語のみ)
◆STARSのHPはこちら(英語のみ)
Arrhythmia Alliance アリスミア・アライアンス
※アリスミア・・・不整脈 ※アライアンス・・・連合や提携の意
アリスミア・アライアンス(A-A)は、2004年4月に設立された。患者や家族などの活動家が不整脈に苦しむ患者に対するより多くの政府支援を英国国会 にて要求した不整脈啓蒙習慣(Arrhythmia Awareness Week)がきっかけとなった。A-Aは、急速に拡大しており、2006年度経費合計およそ35万ポンド(日本円で約7,000万円)に達した。A-Aが 主催した不整脈啓蒙週間2006では、25万通に及ぶ患者情報案内パンフレットが配布され、ヘルプラインへは5万件近くの電話や10万通近くのEメールで の問い合わせがあった。ウェブサイトは100万件以上のアクセスを数えた。
Trudie Lobban トゥルーディ・ロバンさん
アリスミア・アライアンスの創設者であり、理事を務める。主婦をしていたが、娘が反射性無酸素発作と診断された後、娘の医師の強い希望もあり STARS(Syncope Trust and Reflex Anoxic Seizures,The Blackout Trust:失神トラスト・反射性無酸素発作、ブラックアウトトラスト)を1993年に設立。その後、不整脈啓蒙習慣(Arrhythmia Awareness Week)をきっかけにアリスミア・アライアンス(A-A)(不整脈連合)を設立。国を超えたサポート体制をつくる為活動している。
更新日:2009年08月29日


